心の美しさが顔に現れる世界になった結果~義妹と皇太子がどうなったかって?~

 ふふ、なるほど。
「でしたら、多産系の女性が妃なら問題ありませんよ。私の母は私一人を産んだだけなので、きっと私も多産系ではないでしょうけれど……、侍女の一人は祖母は7人、母は8人、叔母もみな5人以上産んでいるんですよ」
 アンドレア様が私の手を取った。
「子供が生まれなければ血筋をたどって養子をもらえばいいよ。それに、他国のように女王を立てればいい。姉や妹の子を立ててもいい。だからシャーラ……その」
「ふふっ、アンドレア様は、まるでここを出た後に立太子するかのように話をするんですね」
「え?あ、た、確かにそうか。僕が王になるわけないか……」
「王になるわけない?いえ、そもそもここを出られると思っているんですか?」
 ずっと流れている王宮の映像。
 もう、私たちを皆殺しにすることは決定して覆りそうにない。
 そして、今はどのように殺すのかを話し合っているところだ。
「自害の呪いをかけて、刺客を送ればいいのでは?金を積めば殺し屋たちも喜んで仕事するだろう」
「正気か?殺し屋ギルドを敵に回せば、我らとてどうなるかわかったもんじゃないぞ!」
「うぐ……では傭兵を雇うか。凄腕の者たちを」
「だが、反旗を翻したらどうする」
 紛糾する話し合いの中、ずっと発言を控えていた宰相が口を開いた。
「バカバカしい。簡単な話ですよ。ずっと閉じ込めておくだけでいい」
 息子も含まれているというのに、その声は淡々としたものだ。
「何?勝手に殺し合いを始めるとでも?」
「……籠城と同じでしょう」
 宰相の言葉に、皆が納得した。
「ああ、なるほど。食料がなければ……長く生きられぬということだな」
「あはは~!ほんっと、心が美しい人が好きって言う割に、そろいもそろって心が醜いこと!皆殺しですって!ふ、ふふっ!」
 醜悪魔女が大笑いした。
 王宮でのやり取りを聞いていた者たちは、そろそろ自分たちは容姿が変わってしまったことだけに心を捕らわれている場合ではないと気が付いたようだ。
 生きるか死ぬか……いや。死が間近に迫っていると。
「まぁいいわ。一つ教えてあげる。学園は外部からの攻撃を防ぐために強力な結界で守れれていて、いかなる魔法も効かないけれど、あくまでも外部からの攻撃を防ぐだけよ?じゃ、さようなら!あははははー!」
 グレン魔女が姿を消した。