殿下達の後ろには、幼馴染み兼、現在の側近の4人の令息が護る様に控えています。
 護るより、その威圧感で周りをビビらせてる感じですが。


 国王陛下の又従兄弟の宰相閣下ご令息、モンゴメリー公爵家ご嫡男のライオネル・グレイ・モンゴメリー様。

(父の上役) 王立騎士団統合団長バーンズ伯爵ご嫡男のカイル・グリフィン・バーンズ様。

 財務大臣ハモンド侯爵ご次男のルーカス・ファルガー・ハモンド様。

 そして、私の兄である伯爵家嫡男のアレン・マッカラム・ロドリー。



 側近4人のメンツの中でルーカス様だけが今年の卒業生で同い年。
 他の3人は第3王子殿下より年上で。

 ライオネル様が3歳上、アレンが2歳、カイル様は1歳上で、当然それは私とも同じ年齢差です。


 既に卒業した3人はわざわざこの為に、こちらに来ていて……
 暇か? 暇なのか?



 婚約者の代わりにパートナーになってと、私が頼んだのにすげなく断った兄アレンでした。
 殿下とエリザベス様を護らなくては、と言うのが兄の言い分でした。


 学園のホールで行われるパーティーは、関係者以外立入禁止で、身元や持ち物チェックも厳しいものでした。
 国王陛下の護衛でさえも3名のみがホールに入り、後の数十名は建物の周りや校庭を見回っていました。


 その様な宴で、騎士団統合副団長の嫡男でありながら、腕に覚えのない文官の兄は、何からおふたりを護るつもりなのでしょうか?




 生徒会長からの挨拶をする筈のセオドア第3王子殿下の一声は皆を驚かせるものでした。


「エヴァンジェリン・マッカラム・ロドリー!
 この場に出でよ!」