ここなは、階段を降りて行った。あとから、フェレスもついてくる。
 (本当に大丈夫かなあ、お母さんとお父さん、びっくりするんじゃあ)
 ここなは、玄関へ降りた。
 橋本家、玄関。
 玄関にかこ(39歳)と、ここなの父親、かい(40歳)が立っていた。かこは、長い髪を束ねていた。細身の美人。かいはショートヘアで、眼鏡をかけた細身だった。
 「お留守番、ありがとう」
 と、かこ。
 「えらいぞ。それと、フェレスさんも」
 と、かい。
 フェレスはここなに目くばせした。
 (え、フェレスさん)
 「お、お父さん、この人知ってるの?」
 と、ここな。
 「え、何言ってんだ、フェレスさんだろう」
 「あ、ああ、そうか」
 と、ここな。
 「大丈夫?ここな」
 と、かこ。
 「あ、いや、大丈夫、はは」
 と、ここな。
 「ハンバーガー食べる?」
 と、かこ。
 「うん」
 と、ここな。