橋本ここなは、5年生に進級した。そこで友達ができた。小学生ギャルグループだ。いつも一緒だった。「ウルフちゃん」の話とかした。「ウルフちゃん」には恋愛小説が多かった。
 ここなは、クラスの男子木村君が気になっていた。黒髪のショートヘア。黒目で、目が大きかった。細身のハンサムで、サッカークラブだった。
 そろそろ暑くなってきたある日、自由が丘小学校の教室でここなと、みな、芽亜里、ここは、千代子がいつものように「ウルフちゃん」の話をしていると、クラスの男子が「魔界ライダー」ごっこをしていた。
 ここなは、ポニーテール、スカート。みなは、ロングヘア、パンツスタイル。芽亜里は半袖にスカート。ここは、パンツスタイル。千代子は髪の毛を後ろでまとめていて、黒いジャージ。皆汗をかいて、肌が美しく光っていた。青春の香りがした。
 「魔界ライダーペガサス」
 と、村田聖也が叫んだ。太っている大柄な男子だ。
 「魔界ライダースワン」
 と、白鳥氷河。金髪の男子。金持ちらしい。
 「魔界ライダージェット!」
 と、富士圭吾。
 「いくぞ、魔界ライダーメテオナックル」
 と、村田聖也がポーズを決めた。
 「じゃあ、こっちは、魔界ライダー金剛スターダスト」
 と、氷河
 「魔界ライダーアブソルートシールド」
 と、圭吾。
 「もお、男子たちって幼稚ねえ」
 と、ここながいった。
 「ほんとお」
 と、みな。
 ここなは、木村君を見た。木村君は青い半袖シャツで、机におとなしく座っていた。
 (木村君は、こんなことしないよね)
 と、ここなは思った。
 木村君は男子たちを見た。そうしてたった。
 「僕は魔界ライダーホロウだぞ」
 と、木村君は叫んで、ポーズをとった。
 「ええええええええええええええ」
 と、ここな。
 「魔界ライダーボルティックスレイブ」
 と、木村君がポーズをとった。
 「男子たちってバカだね」
 と、芽亜里がいった。
 「そ、そうだね。でもそれはそれでいいんじゃない?」
 と、ここなはいった。
 「まあ、男は幼稚で、バカだからなあ」
 と、ここははいった。
 「でも、恋愛ゲームとかに出てくる男子はそうでもないよ」
 と、千代子はいった。
 「ははは」
 と、ここなは、苦笑いしていた。
 木村君は男子たちと魔界ライダーごっこをしていた。
 「ああ、木村、ずるいぞ。ボルティックスレイブは3回までだろう」
 と、田村聖也。
 「聖也君こそ、バリア3回までじゃないかあ」
 と、木村君。
 「何いー」
 と、聖也。
 「やるのかよお」
 と、木村君。
 「木村、聖也さんに謝れ」
 と、氷河。
 「ま、まあまあ」
 と、圭吾。
 「はあ、男子ってバカだよねえ」
 と、みな。
 「う、うん」
 と、ここな。