教室。
 夕方。
 ここながいる。フェレス、みな、芽亜里、ここは、千代子、木村君、聖也、氷河、祥子がいる。祥子は懐中電灯を持っている。あとは誰もいない。
 そろそろ薄暗くなってきた。
 「ねえ、そろそろ行こうよ」
 と、木村君。
 「そうだね」
 と、祥子。
 「皆、行こうか」
 「はあい」
 と、一同。
 祥子は、ドアへ行った。ここなたちがついていく。
 「わくわくするなあ」
 と、木村君。
 祥子はドアを開けた。がらがら。

 廊下。
 祥子がドアから出てきた。懐中電灯のスイッチを入れた。懐中電灯が廊下を照らした。あとから木村君をはじめ、一同が出てきた。祥子は一同を見ていった。
 「みんな、固まるんだぞ。不審者には気をつけるんだぞ。フェレスさん、しんがりお願い」
 「わかった」
 と、フェレスがクールに言った。
 「はあい」
 と、一同。
 「音楽室へ行こう」
 と、木村君がいった。
 「まあ、木村君がいうなら、そうしよう」
 と、祥子。
 「学校の七不思議その一、音楽室で夜な夜な幽霊が現れ、ピアノを弾くという」
 と、木村君。
 「あーははははは」
 木村君の後ろで聖也と、氷河が笑った。木村君と祥子はふりむいた。
 「何がおかしいの?」
 と、木村君。
 「幽霊なんていないよな」
 と、氷河。
 「ほんと、ほんと」
 と、聖也。
 「いるよ」
 と、木村君。
 「非科学的だ。風評被害さ」
 と、氷河。
 「風評被害って」
 と、木村君。
 「それはいいとして、幽霊なんていない」
 「そんなことないよ」
 と、ここな。
 「私は見えるし」
 と、みな。
 「嘘つけ」
 と、氷河。
 「嘘じゃない」
 と、みな。
 「女子ってそんなこというんだよなあ」
 と、聖也。
 「え、そういう言い方おかしいんじゃない。女性差別行為、ジェンダーハラスメントなんじゃない」
 と、みな。
 「そうだよ」
 と、ここな。
 「ほんと」
 と、芽亜里。
 ここなたち小学生ギャルグループが目を向いた。
 「ま、まあ、まあ。ここで、議論してても仕方ないよ。とりあえず、音楽室へ行こう」
 と、祥子。
 「あ、はい」
 と、聖也と氷河。
 「はあい」
 と、ここなたち小学生ギャルグループ。