職員室。放課後。
 吉田祥子(25歳)、机についていた。上の方お団子。黒いスーツにタイトスカート。スレンダー。黒いヒールをはいている。眼鏡をかけている。椅子で横を向いている。祥子の前に、ここな、フェレス、みな、芽亜里、ここは、千代子、聖也、氷河、木村君がいる。
 「何い、放課後残って肝試ししたいって」
 と、祥子。
 「無理、無理」
 と、祥子はつづけた。
 「ええええええええええ」
 と、木村君。
 「先生、どうしても、夜の学校に用が」
 と、木村君はつづけた。
 「用って?」
 「それが、学校の七不思議なんてないって、聖也君と、氷河君が」
 と、木村君。
 「なある。木村君としては、学校の七不思議があるってこと、証明したいんだ」
 と、祥子。
 「うん」
 と、木村君。
 「でもなあ。そんなことのために、児童を夜まで学校に居残らせるわけにはあ」
 と、祥子。
 「お、お願いです。吉田先生」
 と、ここな。
 「無理だよ。第一、校長がOkだすかそうか」
 と、祥子。
 「いいんじゃないですか」
 と、野太い、低いハスキーな声がした。そこにはあごひげをはやし、眼鏡をかけた、しぶい中高年の男性がいた。碇玄鶴校長だった。
 祥子はそちらを見た。
 「こ、校長先生」
 「吉田先生、いいんじゃないですか」
 「え」
 「話は聞かせてもらいましたよ。あなたが監督義務者として児童につくならいいんじゃないですか」
 「でも、ご父兄が・・・・・・」
 「無論ご父兄に許可はとりましょう。なんなら、児童の迎えに来てもらいましょう」
 「は、はあ」
 「いいですね」
 「ま、まあ、校長がそういうんなら」
 「やったあ」
 と、木村君。
 「よかったね」
 と、ここながいった。
 「うん」
 と、木村君。
 「吉田先生、くれぐれも不審者には用心してください」
 と、校長。
 「まかせてください。私、格闘技プロ級なんで」
 と、祥子。
 「そそうでしたね」
 と、校長。
 「とりあえず、一人、一人、親御さんに連絡して、許可をとろうか。そうして、夜遅くなったら、お迎えに来てもらおう」
 と、祥子。
 祥子はスマホを取り出した。
 こうして、一同は親と連絡をとり、許可をとった。