自由が丘小学校正門前にリムジンバスがとまる。ドアが開き、鬼龍院芽亜里が出てくる。芽亜里はブランドもののランドセルを背負っていた。芽亜里が、校門を入った。
 「あ、おはよう。芽亜里」
 と、ここな。
 「おはよう」
 と、芽亜里。
 「おはよう」
 と、みな。
 「フェレスさんもおはよう」
 と、芽亜里。
 「じゃあ、教室行こうぜ」
 と、聖也。
 「うん」
 と、木村君。
 「はい聖也さん」
 と、氷河。
 3人は校舎に向かった。それを見送るここなと、みな、フェレス。
 「どうかした?」
 と、芽亜里。
 「きいてよお。ここながさあ、木村君に挨拶したんだ」
 と、みな。
 「えええええええええ、どんなふうに?」
 と、芽亜里。
 「それは、まあ、教室で話そう」
 と、みな。
 「うん」
 と、芽亜里。
 一同、教室へ向かう。

 教室。
 ここなが席についている。まわりにフェレス、竹下みな、鬼龍院芽亜里、林ここは、松野千代子がいる。
 「でさあ、ここながさあ、木村君に「おっす」って、男の子の友達みたく挨拶したわけよ」
 と、みな。
 「えええええええええええええ」
 と、芽亜里。
 「やるう」
 と、ここは。
 「へえ」
 と、千代子。
 「ははははは」
 と、ここな。
 「一歩前進ってか」
 と、みな。
 「ここなって、木村君好きなのお」
 と、芽亜里。
 「よくわからん」
 と、ここな。
 「私は三次元には興味ないけど」
 と、千代子。
 「・・・・・・」
 一同。
 ここなは木村君を見た。木村君は、聖也、氷河と話していた。
 「ねえ、知ってる?学校の七不思議」
 と、木村君。
 「木村、もう俺たち5年生なんだ。そういう幼稚な話はやめようぜ」
 と、聖也。
 「そうだよ。僕たち、子供じゃないんだから」
 と、氷河。
 「え」
 と、木村君。
 「でも、僕は信じるよ。学校の怪談」
 と、木村君はつづけた。
 「ええええええええ、まじで」
 と、氷河。
 「そんなの、あるわけないだろう。単なるうわさだよ。風評」
 氷河がつづけた。
 「そんなことないよ。絶対あるって」
 と、木村君。
 「ねえよ。風評被害だよ、まったく」
 と、氷河。
 「風評被害って何?」
 と、木村君。
 「え」
 と、氷河。
 「俺も聞きてえ、それ一体なんだよ」
 と、聖也。
 「ま、まあ、ともかく、お化けや幽霊なんていねえよ」
 と、氷河。
 「絶対いるもん」
 と、木村君。
 「はははははははは、幼稚だな」
 と、聖也。
 「何!」
 と、木村君。
 「ん、やるのか」
 と、聖也。
 あ、とここなは思った。思わずたちあがった。
 「ちょっとやめなさいよ」
 と、ここな。
 「え、橋本さん?」
 と、木村君。
 「え、あのお、そのお」
 と、ここな。
 「なんだよ、女子が」
 と、聖也。
 「ちょっとそれはないんじゃない」
 と、ここな。
 「そうだよ。げきおこぷんぷんまる」
 と、みな。
 「私はあると思う。学校の七不思議」
 と、ここな。
 「ええええええええええええ。橋本さんも」
 と、木村君。
 「う、うん」
 と、ここな。
 「あのう。私もあると思う」
 と、芽亜里。
 「私も」
 と、ここは。
 「私も」
 と、千代子。
 「私もね」
 と、みな。
 「女子が入ってくんなよ」
 と、聖也。
 「そうだぞ」
 と、氷河。
 「何よ。女子を不当に区別する気」
 と、みな。
 「んなこと言ってんじゃねえよ。男子の話に勝手に入ってくんなっていってんの」
 と、聖也。
 「そんなに言うなら、今日学校居残って、確かめようよ」
 と、みな。
 「ああ、それいい」
 と、木村君。
 「望むとこだ」
 と、聖也。
 「だめだよ。先生に叱られちゃうよ」
 と、ここな。
 「どっかに隠れてようか」
 と、木村君。
 「吉田先生に許可取ったらいいんじゃない」
 と、みな。吉田祥子先生はここなのクラスの担任だ。
 「あ、それいい」
 と、木村君。
 「でも。許可なんてくれるかなあ」
 と、ここな。
 「まあ。聞けばいいさあ」
 と、みな。
 「先生来たら?」
 と、ここな。
 「うーん、教室じゃなんだから、あとで職員室行こう」
 と、みな。
 「うん」
 と、ここな。
 「男子たちもそれでいいでしょう」
 と、みな。
 「うん」
 と、木村君が笑顔でいった。
 「わーったよ」
 と、聖也。