「ただいまー」 「おかえり。今日も戸締まり頼まれてたの?」 「うん。用事があるって」 朔にかき乱されたせいでクタクタになった私は、図書委員の仕事を終えて早々に、家に帰った。 キッチンには夜ごはんの支度をするお母さんが居て、遅く帰る理由を知っているから何も言わない。 お母さんの程良く干渉してこない距離感が、いつも心地良い。 朔のバグった距離感とは大きく違って。