目が合えば餌食にされると怯えていた朝が、なかったかのように普通に話しているけど、餌食とは何だったんだろうと思うほど、怖い人ではなかった。
朔に怯えた誰かが、変な噂を流しただけだろう。
敢えて言えば、何を考えているか分からないから、不思議な人だと思うし、行動が突発的なのは怖いかな。
「ねぇ、朔くん。一つ聞いても良いかな?」
「良いよ。何でも聞いて」
人が来るかもしれないから、聞きながらもカウンターの方を見て話そうとすると、私の座っている椅子の座面をくるっとまわして、朔の方へ向かされて見つめ合う形に。



