目を瞑って、香りに集中したくなった。 ゆっくり深く息をしても、嫌だと思わない、柔らかくて心地良い。 今まで嫌っていた香りでも、その人のことを好きになれば好きな香りに変わると聞いたことがある。 朔の香りは…。嫌だとか考えたことはなかったけど、多分どんな香りでも心地良いんだと思う。 好きになるって不思議だ。 固まっていた思考も朔の香りで、段々と取り戻す。 「朔くん…。教室だから、誰か通るかも」 「うん。だから?何ならこの前、保健室でチューしたじゃん」 「それは!…言わないで」