「君が嬉しいとね、私も、嬉しいんだよ。君が、

笑うとね、私も、笑顔になれるんだよ」






耳たぶおじさんは、風に耳をあてる。




そして、何度もこの言葉を伝えたよ。




風は、言ったよ。





「ボクは、生きることしかできないよ。



誰も、手を繋いでくれないっ!」






風は、涙をこぼした。





耳たぶおじさんは、風に寄り添った。





「風さん、君は、私の全てだよ。

 

君がいるから、ボクは、息ができる。



生きられる!ありがとう。ありがとう」





耳たぶおじさんは、風に、にっこり笑ったっ!





風は、涙の香りをもった。




風は、ここにいる。




「風さん、私は、いつも見てたよ!



風さんが、歩くところ!空気を運んでくれるところっ!




ありがとう!


体がゆらゆら気持ちいよ、心が、飛んでくのっ!






体は、飛べないのにね。」





花は、笑顔で言ったよ!




幸せな気持ちが、幸せな気持ちを咲かせたっ!





「今日も、良い日だった!」





耳たぶおじさんは、風と花に手を振った。



そして、夕焼けのお家へ、帰っていったよ。