鐘の音が、運命の人だって教えてくれた。

 右にフェイントをかけた相手選手が、左から走り込んできた味方にパスを出し、そのままボールがゴールへと突き刺さった。


「あー……」


 応援席から落胆の声が上がり、その後試合は膠着状態が続いた。

 最初みたいな大きな応援の声も、あまり聞こえない。

 諦めちゃダメなのに。

 試合はまだ続いているのに。

 しかも、相手チームの応援の声に押されて、流れが向こうに傾きかけている。


 マズいよ、このままじゃ負けちゃう……。


「せ、聖青学園ファイトーっ!!」

 応援席の一番うしろで、ひときわ大きな声を出したわたしの方を、みんなが一斉に振り返る。


 ひぇぇっ……そんなに注目しないで……!


 だけど、わたしの応援の声が引き金になったのか、また勢いを吹き返す我が校の応援団。