「ねぇ、さっきの桜崎さんの様子見た?」



「あぁ~、妹の方でしょ?」



「挨拶したのにシカトとか、マジありえないんですけど~」



「地味子だけど、明るくてよく喋る姉の佳乃愛さんの方がいいな、ウチは」



私は思わず、ガタッと立ち上がり、女の子たちの方を見た。



「今日は、華乃音、具合がよくないみたいなの。だから、そういう風に言うのはやめて!!」



女の子たちは、ちょっと顔をしかめたけれど、「ごめん」と呟いて、それぞれの席に戻る。



三つ編みでメガネの地味っ子の私に対してーー。



サラサラの黒髪ロングをゆるく巻いたお嬢様風のかわいらしい見た目の華乃音。



私と違い、華乃音は勉強も出来るし、異性にも一目置かれている。



華乃音は私にとって、自慢の妹。



だから、悪口なんて、許せない。



私が、華乃音をしっかり守らないとね!