「おっはよ! 桜崎さんたち!!」
「おはよ~! 今日もいい朝だねっ!!」
クラスメイトの女の子たちが私と、華乃音に一斉に声をかけた。
私はいつも通りに笑顔で「おはよ~!」と返して席につく。
だけど、一方の華乃音は、みんなの挨拶を無視して、私の前の机に座った。
私はその様子に首を傾げた。
あれれ……? なんだか華乃音、機嫌悪い……?
そういえば、奥森くんが話しかけてきた時から、一言も喋ってないような気がする。
私は、ツンツンと華乃音の肩をつついた。
「華乃音、もしかして具合悪い?」
「……」
「ねぇ、かの……」
「ウザい。お姉ちゃんは黙ってて」
「……そ、そう? ごめん……」
華乃音は時々、理由も分からず急に不機嫌になることがある。
気にはなるけど……、そっとしておこう。
そう思って私は鞄から、今日授業で使う教科書やノートを机につめこむ。
すると、後ろからヒソヒソと声が聞こえてきた。