「はあっ、はあっ……」
息をきらしながら、スマホの電源をオフにして、扉のドアノブに手を掛けた。
視界いっぱいにうつったのは、地平線に沈みかけたオレンジ色の太陽。
私は鞄をベンチの上に置いて、柵から身を乗り出して、おもわず空を仰ぐ。
胸から込み上げる気持ちを早く言ってしまいたい。
輝く夕日の空をカメラアプリで撮ろうと、ポケットのスマホに手を伸ばした時ーー。
後ろでガチャリと扉が開く音が聞こえた。
見間違えるはずもない、サラサラの黒髪に光るピアス。
「神谷くん……っ、」
来てくれた。本当に、来てくれたんだ。
神谷くんは黙ったまま、私と反対方向のフェンスに寄り掛かる。
私は意を決して口を開いた。
「神谷くん、ごめんなさい!!」
まずは、これは最初に言っておかなくちゃと思いっていた。
「私、妹の恋を応援するつもりだったんだけど、神谷くんには逆に気分悪くさせちゃった」
「……」
「だから、本当にごめんなさーー」
「はぁ、そんなに謝られたら、俺が悪者みたいだ」
「……へ?」

