『華乃音には、華乃音のいいところが沢山あるし、何より私の自慢の妹だよ』



私は、泣いている華乃音に、寄り添うようにそう話した。



すると、華乃音は、『お姉ちゃんは優しすぎ……っ、』と言って、ムッとしていたけれど、最後は笑ってくれた。



そして、私たちは仲直りすることができ、本当の“双子”になった。



「ねー、お姉ちゃん」



「なぁに?」



華乃音は声を抑えて、私の耳元で囁いた。



「神谷くんには、いつ告白するの?」



「今日の放課後、頑張ってみようかなって思って……。えへへ」



「そうなんだ! お姉ちゃんのこと、応援してるっ! でも、フラれたら私に譲ってよね~!」



「ふふふっ、はーい」



辿りついて、教室の中に私と華乃音は入る。



私は自分の席に着いて、右隣りにいる神谷くんを久しぶりに見た。



神谷くんは、無言でスマホをいじくっている。



神谷くんとは、もう2週間以上、口を聞いていない。



私は授業が始まっても、早く放課後にならないかなという気持ちでいっぱいだった。