次の日、自分の教室に向かうべく、廊下を華乃音と歩いていた私。



「なぁ、桜崎さんの妹といる子、誰!!?」



「落ち着けよ、たぶん佳乃愛さんじゃね?」



「めっちゃ美人じゃん!! 今まで全然気づかなかった!!」



私は、今日から、丸メガネと三つ編みスタイルを卒業することにした。



『佳乃愛さんらしく自由に生きて?』。



奥森くんの言葉に背中を押されて、私は自分をもう隠したくないと思ったのが理由だ。



周りのクラスメイトたちが驚くだろうなと、覚悟を決めて臨んだんだけれど、いざとなると恥ずかしい。



昨日の夜、私は華乃音にすべて思っていることを説明した。



奥森くんに言われたことや、私も神谷くんが好きなこと。



華乃音は、始めは怒って泣いて、『お姉ちゃんとなんか、絶交!!』と言っていたけれど。



でも華乃音も、私のせいで強い劣等感を感じていることを初めて知った。



あと、神谷くんと本当は付き合っておらず、ただ私にヤキモチを焼かせたい為にとった行動だとも。