すると、神谷くんが私を見ながら、おもむろに口を開いた。
「佳乃愛が、今すぐ俺のカノジョになれば、こいつに謝ってもいい」
「え、えぇっ!!?」
なんだか話しがまずい流れになってしまいそうで、私はとっさにーー。
「神谷くんは、じ、地味な私より、華乃音の方がお似合いだよ。だから、私とはもう関わらないで」
「は? 佳乃愛なに言ってんだ」
「と、とにかくもう今後一切、神谷くんとは話さないからっ!!」
私は、鞄から奥森くんに借りた“月間セイバー”を取り出して、読み始める。
視線が合わないように、マンガ雑誌を自分の顔が隠れるくらい、顔面に近づけた。
神谷くんは、それ以上なにも追及してくることはなかったけど。
私は、自分でも疑問に思う程、心が痛んで仕方がなかった。
その日からーー、私から神谷くんに話しかけることは無くなったし、神谷くんも私を避けるようになった。
時々、神谷くんが悲しそうに私を見ているような気もしたけど、無視して授業に集中した。

