次の日の朝、私はいつもより早く目が覚めた。



カーテンを開けると、薄水色の空に、ぽつりぽつりと白い雲が浮かんでいる。



日が眩しくて、私は太陽に手をかざし目を細めた。



いつもなら、さっさと張り切って学校へ行く支度を始めるのに、今日はそんな気が起きない。



なんとなく、体もだるいし、軽く頭も痛い。



昨日の夜、ぐるぐると色んな事を考えてたせいかな。



神谷くんに告白されて、キスされた事や、妹の華乃音の怒りに触れてしまったこと。



昨日、華乃音が言っていたことを思い出す。



『それならよかった♪ お姉ちゃんには“男”なんて必要ないものだもんね♪』



私は男の子が苦手で、神谷くんにキスされたのもきっと何かの間違いで起こったもので。



神谷くんは、地味な私なんかが恋愛対象になるなんて到底思えない。



今度は昨日、華乃音とちゃんと約束した。



神谷くんに、今後一切、近づかない、関わらないってことを。



よし、決めた。



華乃音が神谷くんと結ばれるのが、私の幸せに繋がるのならーー、2人を全力で応援するよ。