苦しい、苦しい、苦しい。



だから、私は考えて、ある事を思いついた。



私が、自分より、お姉ちゃんを生きづらくしちゃえばいい。



つまり、鳥かごのように、閉じ込めちゃえばいいんだと。



私は、お姉ちゃんの為を思っているフリをして、様々なことで騙してきた。



お姉ちゃんが男子に傷つけられた時ーー。



地味子ちゃんにさせたのも、大切な姉を守る為ではなくて、私よりモテないようにするため。



勉強だって、ワザと簡単な問題しか、解き方を教えてあげないし。



マンガだって、ウキウキしながら読んでいるのを見ると腹が立つから、注意してるだけであって。



私は、常に自分が優勢になるように、努力してきた。



神谷くんのことだって、今まで以上にはらわたが煮えくり返る思いだった。



けど、なんとか、怒鳴っただけでとどまった。



いくらお姉ちゃんでも、神谷くんだけは絶対譲れない。



お姉ちゃんは、ただ黙って私のいいなりになっているだけでいいの。



本当に“幸福”になるのはーー、私の方なんだから。