「そ、それはーー……」
思わず言葉に詰まる私。
私が地味子になったきっかけは、あれは中学3年生の時。
『桜崎ってかわいいよな~。あ、俺は姉派かな』
『そうだな~、明るくてウブそうで、ホイホイ男についていきそう』
『なぁ……、今誰もいねーし、声かけようぜ』
日直で帰りが遅くなってしまった私はーー、まだ教室に残っていた不良男子に絡まれた。
『なー、桜崎サンの、お姉さん? 俺と付き合ってよ~』
『ど、どこに……、ですか?』
『そういう意味じゃなくて、カノジョ。つまり恋人になってほしーの』
『お、お断りします……』
私は頭を下げて、出て行こうとするとーー、突然、髪を引っ張られて。
『あぁっ!!? 俺たちに歯向かうんなら、今ここで痛い目に合わせてやる!!』
『痛っ……! やめてぇっ……!!』
私は、男子たちから殴る蹴るの暴力を受けた。
必死に助けを求めたけど、誰も現れなくて。
体中アザをつけられて、身も心もボロボロになった。