お母さんが用意した夕食を食べて、お風呂に入って、私はベッドにダイブする。
枕元の置時計を見ると、時刻は、夜の9時半を回っていた。
もう寝ようかな~と思い、ベットの上でウトウトしているとーー。
コンコンッ。
誰かが、私の部屋のドアをノックする音が聞こえた。
お母さんかな? と思って、私はドアに近づく。
すると、扉がわずかに開いて、入ってきたのはーー、妹の華乃音だった。
「お姉ちゃん、ごめんね……。学校であんな態度とっちゃって……」
「う、ううん! 私は平気だよっ! 誰だって、気分が悪い時もあるよ!!」
本当は、ちょっとあの時、華乃音が怖かった。
かわいくて、優しくて、いつも私が抱いているイメージの彼女とは違って見えたから。
でも、今目の前にいる華乃音は、いつもの華乃音。
正直、華乃音が元に戻ってよかったな~、と安心する私。
ーーだけど、次の華乃音の言葉によって、私の心は砕けることとなる。
「お姉ちゃん。今日、神谷くんとキスしてたでしょ」