次の日の朝。



私は学校へ行く支度を済ませて、妹の華乃音と一緒に家を出た。



「う~ん! 今日もいい天気だねっ、華乃音」



空を仰ぎながら大きく伸びをする私。



「そうだね、お姉ちゃん。でも、マンガを読みながら歩くのは危ないからダメだよ?」



「はいはい、分かってまーす!!」



昨日の華乃音の様子が何となくおかしかったから、私は心配していたけど。



今朝起きたらいつもの元気な華乃音に戻っていて、内心ホッとした。



並んで、桜が散る通学路を歩いていると、華乃音から話し掛けてくる。



「ねぇ、お姉ちゃん」



「なぁに?」



華乃音がキョロキョロと周りを確認したあと、小声で。



「私ね、神谷くんのこと前々からかっこいいなって思ってたんだ」



「……え!? そうなの!?」



「しーっ! 声大きい……!!」



私は、あはは~……、ごめん、と謝ったあと話しの続きを聞く。



「昨日、席替えで、神谷くんの隣になってこれは運命だ! って感じちゃったの」



「うん」