思わず、勢いで言ってしまった……!!



私のバカ、バカ、バカ!!



私は羞恥心にまみれながら、赤い顔を下に向ける。



うう……、神谷くん、絶対に引いたよね……。



そう思っていると。



「ぷっ、お前、いちいち反応がおもしろいな」



……へ? 



「俺、お前の事、気に入った。俺の名前は神谷律希」



「え? えーと、桜崎佳乃愛です……」



「これから、よろくな、佳乃愛」



「は、はぁ……。こ、こちらこそ、よろしくお願いします! 神谷くん!」



私が頭を思い切り下げると、神谷くんは、また笑っていた。



神谷くんは、怖い人ではないの、かな……?



見た目だけで決めつけていただけで、本当はいい人なのかも……?



私はそう悶々と思っていると、いつの間にかクラス全員が新しい席についていた。



1時限目のチャイムが鳴り、私は張り切って授業に臨んだ。