君に、恋した俺の負け。


「洲藤さん…いや、洲藤」
「……」
「売る気はありませんよ」
「だろうな」
「あの子には手を出さないで欲しい」
「……」

この場所は前々から狙っていた土地だった。
けど、頑なに断られ続けていた。
あの子がこの店で働いていると分かった時点で
手は引く考えだった。

「洲藤さーーん!こっちです!」
「今行きますよ」

あんなに可愛い笑顔のあの子がここで
働いているなら俺は陰ながら応援したい。