「日和、俺と付き合ってくれ」


えっっ!!??


「「えっっっ!!??」」

私は心の中で、そして桜ちゃんと加藤くんは同時に叫んだ。



「えっと、、付き合う…?」

「【フリ】でいいから。俺の彼女になって」


【フリ】!?
彼女のフリ!?


余計意味がわからない。


「彼氏なら今よりもっと日和を守れるから。鬱陶しい奴らから俺が守るから」


じっと私を見つめている。
すごく力強い視線で、でも少し不安気で。



「鈴原、前川の気持ちとか考えてねーだろ!?なんだよ彼女のフリって!意味わかんねー」

「まぁ、悠の考えがあるんじゃない?日和が決めなよ」


鈴原くんの考え。

付き合っているフリがどう関係してくるのか正直今はわからない。

でも【俺が守るから】の言葉がすごく嬉しくて、私の涙はいつの間にか止まっていた。



「前川、俺隣だし俺が守るから」


加藤くん。。本当に優しい。。


「うん、加藤くんいつもありがとう。でも巻き込むわけにはいかないから」

そう。
優しい加藤くんを巻き込むわけにはいかない。


「俺は…!!!」

加藤くんは何かを言いかけて言葉を止めた。





「鈴原くん」

私は決めた。



「彼女役が務まるかわかりませんが、頑張りますので宜しくお願いします」


逃げない。

鈴原くんにも甘えるつもりはない。

だけど、自分を変えたい。
強くなりたい。


鈴原くんの彼女だって周りに認められる存在になれるよう、努力したい。

周りを認めさせたい。




そして何より


鈴原くんのそばにいたい。