ガラッ———


突然の扉の音にビクッとする。

わっ!!
私寝ちゃってた!?

昨日勉強で夜更かしをして寝不足だったせいか、知らない内に眠ってしまっていたようだ。


しゃがみ込んだまま顔を見上げる。

そこには知らない男の子。

どうしよう‼︎
この状況、何て言い訳しよう。

「あ…あの…」

焦りながら、なんとか振り絞って出た私の声。


「あんた、何してんの?」

少し低めの声が、そんな私の声を遮った。


「へ?あんた•••?」

答えられずオドオドしていると


「アホみたいな顔」

そう言って彼は音楽室から出て行く。



「え、アホ…??」
驚き過ぎて復唱していると


「アホ面がさらにアホになった」

振り向いてさらにキツイひと言。


そして彼はスタスタと歩いていった。




仮にも初対面の相手に向かって
アホ呼ばわり??

アホ面。。。


私の中の【彼】のイメージが崩れていく。
ピアノの音色だけで描いていた【彼】のイメージが、跡形もなく崩れていく。

「ありえない…!!」




さっきの素敵な、、の私の言葉。

前言撤回!!!!!!