「鈴原くんのお家…?」

「そう。」

「桜ちゃん、鈴原くんの家に行きたかったの?」

「うん」



桜ちゃん、どうして鈴原くんのお家に来たかったの?



ピンポーン

インターホンを鳴らす桜ちゃん。




「はい」

インターホン越しに知っている声が聞こえる。


「桜やけど」

「なに?」

「開けて♪」

「帰って」

「開けたらいいねん」

「…ったく」


このやりとり。
学校でもだけど、仲良くないと絶対出来ない。

私はほんのすこーしモヤモヤしてしまう。
このモヤモヤの正体がわからない。



ガチャッとドアが開く。

「桜、どうした?」
鈴原くんが出てきた。


「え?日和?なんで」


「じゃあ!私行くね!悠、日和を送ってあげてよー」

「桜ちゃん‼︎帰っちゃうの!?」


桜ちゃんが来たいって言っていたのに。


「桜、お前」

「お昼邪魔したお詫びね♪」


そう言って桜ちゃんは帰って行った。


お詫びって、、、何も悪い事してないのに、、、



玄関先でフリーズする私。

何を話そう。。

会いたかったのに、いざ会えると言葉がうまく出ない。



「日和、家どこ?送ってく」

「でも鈴原くん、練習してたよね?私は大丈夫だよ」

「いや、大丈夫。俺が一緒にいたいから」


一緒にいたい??

今、さらっとすごい事を言われた気がする。


ドキドキドキドキドキドキドキドキ


あぁーーーー心臓がうるさいよ

どうしよう。
本当に聞こえてしまうんじゃないかな。