教室を出てチラッと2組を見る。


鈴原くんは…いない。

帰っちゃったかな。



また会えるかな、なんてちょっと期待している自分がいる。





「ねぇ日和、何のきっかけで悠と仲良くなったの?」

もうすぐ梅雨がやってくる時期だからか、お天気だけど少しじめっとする帰り道。


「鈴原くんと私、仲良いかな?」

「自覚ないの!?充分仲良いやん」


仲良いのかなぁ。


「“友達”なのかな?」

言葉にすると恥ずかしい。


「アイツは友達以上やと思ってると思うけど」

「友達以上!?」

「日和はもっと自分に自信持たなきゃあかんで」


自分に自信…
そんな事考えた事なかった。


「鈴原くんとは…」


2人の秘密。
木曜日の事、桜ちゃんになら話したいけど私から秘密をお願いしたし…2人だけの秘密にもしたいし…


「委員会、一緒だったの。あと、お昼ご飯食べてたら偶然会ったりして」

「ふーん、そうなんや。委員会ねぇ」


両方嘘じゃないけど、なんだか少し胸がチクリとした。

桜ちゃん、いつか木曜日の話を絶対させてね。
心の中でそう誓った。