「成田さん!!!!鈴原くんとはどんな関係!!??」
「かっこいいなぁと思っていたけど、なんだか話しかけづらくて今まで話した事なかったの!!」

など、成田さんに今度は鈴原くんとの関係を質問攻め。


もう私に興味はなさそう。
少しホッとした。


「悠とは幼馴染みやねん。あいつ、女子の事すぐ名前で呼ぼうとするから気をつけてな」

そう笑いながら言う成田さん。

「そっかー!だから前川さんも名前で呼ばれたんだ。私も名前で呼ばれるかなぁー」
「幼馴染みなんだー!いいなぁ。2人とも関西弁だもんね!」

成田さんのおかげで私はこれ以上質問をされる事なく、助かった。


でも


【女子の事すぐ名前で呼ぼうとする】

この言葉が頭から離れない。


そうだよね。
私に何かなんてあるわけないよね。


わかってた。
わかってたんだけど、なんだろう。



ツライ。


涙が出そう。


「前川?お前やっぱり今日変だぞ?」
加藤くんが心配そうに聞いてくれる。

でもごめんね。
今は口を開くと泣きそうなの。


首を横に振るのが精一杯。



「前川さん、体調悪いみたいやから私保健室連れて行ってくるわ!先生に言ってて!」

私の腕を引っ張って教室を出る成田さん。


「あ!でも保健室の場所わからへんから教えてね!」



授業の予鈴がなる。