あー。眠い。

結局全然寝れなくてほぼ徹夜状態。
賑わう登校時間の教室。
この賑やかさの中でも爆睡出来そう。


「前川、大丈夫?」

加藤くんがやってきた。

「おはよう。なんで?」

「いや、顔色悪いよ」


うそ!

「本当?全然大丈夫だよ!ありがとう」


寝不足の理由を聞かれちゃうんじゃないかと思うと勝手にドキドキして、会話を終わらせた。

加藤くん、心配してくれてありがとう。



予鈴がなる。

担任の先生がやってきた。


「今日は転校生を紹介するぞー」

え、転校生?

この時期に珍しいなぁ。



「入れー」

周りは、可愛い女子だったらいいなぁやイケメンだよーなど想像を膨らます。



ガラッと扉を開けて入ってきたのは女の子。



「成田桜です。宜しくお願いします」

桜(さくら)ちゃん、可愛い名前だなぁ。


「おぉー!美人!俺の隣に座ってー」

にこっと笑いながら無視をする成田さん。


「前川の隣が空いているな。成田、あそこに座れ」

「はい」


成田さんは私の右隣の席にやってきた。


「…よ、宜しくお願いします」

頑張って声をかけてみた。


「宜しくね」

またにこっと笑った顔はすごく可愛くて、羨ましくなった。