まさかの言葉に目を丸くする私。

ありがとう??
なぜ、鈴原くんがお礼を言うの?


「なんで…!!」

抱きしめられている中思わず顔を上げた私。


そこには想像以上に近い距離にあった鈴原くんの顔。
そしてさっきも見た優しく微笑む顔。


その顔にドキドキしてふいっとまた顔を背けようとすると

「今の反則」

そう言って私の顔を上に向ける。


「ちょっと…」
目が合わせられなくて目線だけでもそらす。



「怒らへん?」

いきなりの質問。
でも主語がない。

「え?何を…?」

とりあえず目は合わせず答える私。


「怒らへんか教えて」

だから何を!!??


でも、この状況に耐えられなくなってきた私は


「怒らないよ」

そう答えた。




少しの間があってから



私の唇に何かが触れた。