──ドキッ。


その瞬間、心臓が大きく揺れた。


「おはよ」


トクン、トクン、トクン──。

目に映った途端、規則正しいリズムが全身に刻まれ始めた。


なんでだろ。

いつもと同じはずなのに。


「お、おはよ、雪平くん」


上手く声が出せなくて。


「……璃子ちゃん?」

「きょ、今日もいい天気だね!」

「うん?」


……やっぱり変だ。

あたし、一体どうしちゃったんだろう。


頭の中がぐちゃぐちゃで。

あたしをおかしくさせてるこの気持ちがなんなのか、わからないけど。



でもきっとこれは、そう。


──恋なんかじゃない。よね。