——ピチャン、ピチャン


遠くで水滴が落ちる音がする。


ジメッとした薄気味悪い場所だ。


唯一ある電球の光もさっきからずっとチカチカしている。


狭い部屋の中で、私は逃げないよう鎖で足を繋がれ、蓮さんは両手足を壁に繋がれていた。


「蓮さん、血が!!」


蓮さんの顔や体には青あざができていて、額のところは切れて出血までしている。


ハンカチで圧迫して止血しようと近づくと、蓮さんはそれを拒んだ。


「……触んじゃねぇよ」


類と同じ顔なのに、蓮さんは類と違って人を寄せ付けようとしない圧がある。


正直に言うとちょっと怖い。


でも怯むわけにはいかない、


こういうのはこちらも強気でいけばいいんだ。


隣の家のドーベルマンもそうだった。


「ダメです! 血が出てるんですよ? 大人しく言うこと聞いてください!」


「……チッ」


舌打ちはされたけど、本当に大人しくなった。


不器用なのか、人見知りなだけなのか。


意外と素直な人なのかもしれない。