誰にも、何も言わずに、私は約束の場所へ向かった。


そこから目隠しをされて連れてこられた所は、どうやら組織の本部のようだった。


そこで私は彼と再会することになる。


「おまえっ……なんでこんなとこにいんだよ!」


「蓮さん……?」


「なんでって、俺が呼んだからな」


私に電話をかけてきた大男が後ろから出てきた。


身体中に刺青が入っていて、見るからにヤバそうな人。


絶対に怒らせてはいけないと私の脳が警告している。


「どういうことだよ」


「この前テメェがしくじったからな。俺にやらせてくれって親父に頼んだんだ」


「それはご苦労なこった。一体今度はいくら要求するつもりだ?」


「あぁ〜身代金はもうやめだ」


「あ゛?」


「え?」


私はてっきりまた身代金を要求されるのだと思っていた。


それで多分、最終的に取引には応じずに、お金だけとって私は用済みなんだって……。


そうじゃないなら、この人は一体何をしようとしてるんだろう。