「双子の弟……」


こんなことがあるのだろうか……。


運命のイタズラなんかだとしたら、神様は随分性格が悪い。


でも、それなら類とそっくりなことには納得がいく。


「施設を出たきり連絡もとれなくて、今までどこにいるか、生きているのかさえも分かりませんでした。それがまさか、あんな組織の一員だなんて……クズです」


類は膝の上で拳を強く握りしめる。


私には兄弟がいないけど、もし大切な家族が良くない組織に入っていたら、きっと簡単には受け入れられない。


「……きっと何か事情があるんだよ」


あんなに怖がっていた自分が今さらこんなことを言うのはおかしいかもしれないけど、あの蓮って人がそんなに悪い人だとは思えない。


きっと仕方なく組織に入って、言われたことをただやっているだけなんだと思う。