「ルウは何してた?」

「私は~昨日は夜に、聖お兄ちゃんと映画を見に行ったよ~」

「うん。ポップコーンも美味しかったね」

「あ~ん!? 何勝手に二人で映画行ってるんだよ!」

 聖お兄ちゃんは微笑んでるけど、暗黒お兄ちゃんが怒り出す!

「メールで連絡したんだよぉ~!?」

「俺はメールなんか見ねーよ! 電話して来い! それかネックレスを渡してあるだろ」

 私の胸元には、ハートのチャームがついたネックレスが揺れている。
 
 半分が真っ白で、半分が真っ黒のハート。

「これは緊急事態に使う時でしょ~」

 そう、これはお兄ちゃん二人に救助要請ができるネックレス。

 でも使ったことはないんだよね。
 一体どんな風になるのかも、わからないし……。
 そんな危ない目にあう事なんて、ないと思うんだけどね。

 でも映画に行くよー! って理由なんかじゃ使えないよ!

 暗黒お兄ちゃんもわかってるくせに……。

「電話しなかったのは僕の判断だよ。きっと忙しいと思ったんだ」

「まぁな。ちょうどやり合ってた時だな……」

「お疲れ様だったね。さぁ、サラダを食べ終わったなら、パンケーキをどうぞ」
 
 いいにおーい!!
 私は目の前のふわふわパンケーキを、フォークで口に運ぶ。

「ふわふわパンケーキ美味しい~~!! 聖お兄ちゃん! これ最高に美味しいよ~!」

 真っ白で分厚いパンケーキは、口の中でとろける!
 生クリームは甘さ控えめで、いくらでも食べられちゃう。
 一緒に添えられたフルーツも美味しいな。
 お店でだって、こんな美味しいパンケーキなかなか食べられないよ~!
 
「よかった。アサイーボールもあるよ」

「わぁー! うれしい~!!」

 アサイーボール、すごく綺麗~!
 
「ぷにっぷにになっちまうぞ」

 また、ほっぺたツンツンしてくる。
 暗黒お兄ちゃんは、ブラックコーヒーを飲んでる。
 苦いけど良い香り。
 聖お兄ちゃんは、自分は少しだけ食べて今はカフェオレを飲んでる。