ちょっと遠出して、山奥にある素敵な温泉宿。

 お部屋で豪華な夕飯中です。

 暗黒お兄ちゃんの大好きなステーキと、聖お兄ちゃんの大好きなお刺身~!
 私の大好きなケーキと、アイスのデザートも後から出てくる予定。

「二人共、お疲れ様でした」

 あれからも事務処理とか色々と大変だったみたいで……二人はちょっとお疲れモード?

「明日は一日プールで遊ぼうな!」

「パターゴルフもやろうね」

 いや、元気いっぱいだ!
 二人共、浴衣が似合いすぎてて湯上がりなのがまた……。
 仲居さん達が、ちょっとうっとりして見てたよ。

 私も可愛いお花の浴衣が着れたのが、嬉しい!

 すっごく美味しいお料理、最高だった~。

 デザートも食べ終えて、沢山の薔薇を飾ってくれたお部屋で三人でお話し中。
 あとでこの薔薇で部屋についてる露天風呂を、薔薇風呂にしてくれるんだって。
 素敵すぎる~夢の中みたい。

 嬉しくて笑う私を見て、二人も微笑む。

「本当にルウちゃんが無事で良かったよ」

「ルウに一つでも怪我させてたら、俺と聖で悪魔界が半分消し飛んでたかもな」

 えっ。

「はは、そうだね」
 
 天使の聖お兄ちゃんも、そこは認めちゃうんだ。
 
「心配かけてごめんね……」

「逆だ。俺達がお前を危ない目に合わせた。俺達を前にしてお前を拐う大馬鹿野郎がまさかいるとは思わなかった。すまなかった」

「うん。僕達も反省したよ。近くにいるからと安心してしまっていたね。ごめんねルウちゃん」

「そんな……私は無事だったんだから大丈夫!」

「俺達の花嫁に手を出すなんてな。絶対に許せねーよ」

「そうさ、僕達の花嫁にね」

 ん?
 銀色の花嫁の力の話かな?
 
「銀色の花嫁の力が……開花するといいんだけど……」

「ん? なにか勘違いしてる? ルウちゃん」

「え?」

「銀色の花嫁って別に付与された能力ってわけではないんだけどな。お前が見える能力は、元々あったものだし」

「どういうこと?」

 え?
 私は二人の妹であるために、授かった力の呼び名が『銀色の花嫁』だと思ってたんだけど……。

「まぁ、もう少し大きくなったら、わからせてやるよ」

「そうだね。もう少し大きくなったら……ね」

 二人に頭を撫でられる。
 え……もしかして……私は……二人の花嫁になるの……?
 ま、まさかね!

「ルウ愛してる」

 いつも悪ふざけばっかりの、暗黒お兄ちゃんが真剣な瞳で私を抱き締めて頬にキスされた。

「愛してるよ、ルウちゃん」

 優しい聖お兄ちゃんも、熱っぽさを含んだ声で耳元で囁いて頬にキスをする。

「わ、私も二人を愛してる……よ……」

 愛してるなんて言葉……ドキドキしちゃったよ。
 なんだか、恥ずかしい!

「おう」

「嬉しいよ」

 三人でぎゅーっと抱き締めあって、私は二人の頬にキスをした。
 私も精一杯の愛を、二人にあげたい……。
 三人の穏やかな暮らしをどうか守っていきたいの。
 
 ね、大好きな天使と悪魔のお兄ちゃん達!

 ……お兄ちゃんと妹の距離って、これでいいんだよね……?
 

 「天使で悪魔な双子のお兄ちゃんズに、今日も溺愛されてます!~転校生危険信号!?篇~」
 ☆おしまい☆