「へー。そんな二人に、ルウちゃんは溺愛されてるんだね」

「雨塚君まで~! でも……とっても大事にしてくれてるのは本当なんだけど……」

「ルウに恋人ができたら、二人共発狂しちゃうんじゃない?」

「お兄さんに、認めてもらうのは大変そうだね」

「あはは、私は好きな人とか恋愛とか……わかんないからね」

「雨塚君は~? 好きな人いるの?」

 ミナコちゃんの大胆質問に、周りで聞き見を立ててる女の子達が一斉にこっちを向いた。

「僕? うん。幼馴染の子がずっと好きなんだ」

「わぁ、素敵~~」

 そっかぁ! 雨塚君、純愛なんだな。
 真剣な顔をするから、私もドキッとしちゃった。
 
「私の彼もね、幼馴染なんだよ。叶うといいね!」

 ミナコちゃんが嬉しそうに笑う。

「あは……そうだね。ありがとう」
 
 すすり泣く声が聞こえてくるような……。
 周りの女子達に注目されながらのランチは終わった。
 
 ミナコちゃんも雨塚君も、恋をしてるんだな~。
 私は……やだ! 王子様みたいな結婚式のスーツを着てるお兄ちゃん二人を想像しちゃった……。
 ん~……私、いっつもお兄ちゃん達の事考えちゃってるな……。
 
 そして放課後。

「ルウちゃん、今日も一緒に帰らない?」

「雨塚君……塾があるんだけど途中まででいい?」

 今日は駅前の塾があるし、そこまでならいいかな。
 塾のあとに、お迎え来てくれるって言ってたし……。
 重箱弁当も忘れずに持ち帰らなきゃ。