お昼休み。
 大迫力の愛兄弁当を広げて……食べます。

 ミナコちゃんもびっくりしてるけど、私もびっくりなんだよ~!
 いただきます……!

「わぁルウちゃん、すごいね」

「雨塚君! えへへ……お兄ちゃんが、ね」

 お昼ご飯の時間。
 雨塚君は私とミナコちゃんの机に、やってきた。
 もうクラスにも馴染んじゃって人気者の彼。

 雨塚君は今日はコンビニで買ってきたお弁当を持ってきたみたい。

 そんな雨塚君も私のお弁当見て、びっくり……するよね。
 私も車で降りる時に渡されて……風呂敷包みなんだもん! びっくりしたよ。

 聖お兄ちゃん……一緒に寝てたのに、ずいぶんと起きるのが早いなって思ってたけど……。
 
 お兄ちゃんのお弁当は、ハートで埋め尽くされたお弁当!
 卵焼きもハートになってるし……おにぎりもハート……唐揚げにはハートのピック。
 特製ミニハンバーグの上のチーズもハートだ。
 可愛い!
 けど、ちょっと恥ずかしいのもあるぅ。
 なんだか、聖お兄ちゃんから耳元で囁かれてるみたいなんだもん……。

「雨塚君、良かったらおかずをちょっと食べる?」

「え? いいのかな?」

「うん、是非! お友達と食べなさいって言ってたし……」

 『僕の愛をみんなに見せておいで』……と言ってたのは、言わないでおこう。
 ミナコちゃんも雨塚君も、唐揚げや卵焼きにウインナー、特製ミニハンバーグを食べて『美味しい!』と喜んでいる。

「僕、こんな美味しいお弁当のハンバーグ、初めて食べたよ!」

「これはお弁当のために、冷めても美味しい味付けなんだって」

「すごいね~、ルウちゃんのお兄さんすごいな~」

 雨塚君は、感激して何度もお兄ちゃんを褒める。

「これがあの美しいお兄ちゃんが作ったなんて思えないよねぇ~~~溺愛されておりますなぁ~」

「ミナコちゃん~! 溺愛なんて言われたら恥ずかしいよ~」

「すごいお兄さんなんだね」

「ルウのお兄ちゃんズは、超絶有名なイケメンなんだよ~!」

 ミナコちゃんが、スマホの写真を雨塚君に見せる。
 前に家に来た時の写真だぁ!
 普段は写真は絶対撮らせないんだけど、ミナコちゃんは私の仲良しさんだからね。
 それで四人で撮った写真なの。