みんなで下校時間にゾロゾロ歩いてる。
 
「あそこが、街で一番のスーパーだよ」

「そうなんだ」

 私の隣で雨塚君は、にっこり。
 太陽みたいな微笑みだぁ。
 みんな彼が微笑むとポヤ~~ってなって頬を赤らめて嬉しそう。

 でも不思議な事に……。
 最初は二十人くらいいたし、途中参加の人もいたのに。

「あ、お母さんから連絡? 弟迎えに行けって〜最悪、じゃあねー」
「私、お腹いた~トイレ」
「なんか……めまいが……帰るわ」

 とかって……何故かどんどん人が少なくなって……。

「ごめん! 彼氏が熱っぽいってさ! 私、心配だからあいつの家に行くね!」

 ミナコちゃんまで。
 大丈夫かな?
 不穏な理由で帰る人が多くて、心配になっちゃう……。

「みんな心配だね」

「うん……」

 気が付いたら、雨塚君と二人きりになっていた。
 
「……あれれ……」

「なんだか、二人になっちゃったね。あそこが美味しいクレープ屋さん?」

 もう駅前。
 夕方なのに、今も列ができてる。

「そう、チョコいちごメガクリームがオススメだよ」

「メガクリーム! 美味しそうではあるけど……胸焼けしそうだな」

「お兄ちゃん二人は無理~っておかず系の食べるよ。ツナとかピザとかね」

「お兄さんがいるんだ? 二人も?」

「うん!」

「きっとカッコいいんだろうね。いいなぁ僕は一人っ子なんだ。お兄さんって憧れだな」

 雨塚君は、ちょっと寂しそうに笑う。

「……気持ちわかるよ。私もね一人っ子だったから」

「え?」

「あ、えっと親の再婚でね! お兄ちゃんができたんだ。 ごめんね。びっくりした?」

「ううん……いいね。僕も父さんと二人でさ……」

「え、そうだったんだ」

「うん、父さんはいつも忙しくてさ……再婚してくれたらいいのにな……な~んてね」

「お父さんも忙しくて……新しい学校でちょっと寂しいね」

「うん。でも、みんな親切だし、紗倉さんとも友達になれたしね」

「うん! これから仲良く、沢山楽しいことしようよ」

「ありがとう。僕の家にはイグアナのスイカもいるからね。寂しくないよ」

「え!? イグアナ飼ってるのー?」

「うん。大好きなんだよね」

「わー! うちでもね! 飼おうかって話になってるんだよ」

 暗黒お兄ちゃんが大好きだから、飼いたいって言う話にもなったんだけどね。
 やっぱり留守も多いし、旅行も行きたいから無理かな~とか……色々話をしてたとこ。

「熱帯魚もいるよ。別室で猫もいるんだ」

「わぁ~すごいね!」

 熱帯魚は聖お兄ちゃんが欲しがってるんだよね~。
 私は猫大好き!