「途中までなら私も一緒でいいよ」

 ミナコちゃんが言う。
 まぁ実際、クラスの女の子がぞろぞろ着いてきそうだな。
 それなら大丈夫かな!
 元々、今日はタクシーに乗って帰りなさいって言われてたけど……歩いて帰るつもりだったしね。

「うん、じゃあ放課後に」

「ありがとう、とても楽しみだよ」

 雨塚君が微笑むと、みんなまたキャーっとなった。
 そしてみんながワクワクしてる。

「うふふ、みんなが誘われたわけでもないのにね。ルウが可愛いから声をかけてきたんじゃない?」

「そんなわけないでしょ~! でも、ミナコちゃんは大丈夫? 彼氏は怒らない?」

 ミナコちゃんには、彼氏がいるんだ。
 幼馴染で、私も昔から知ってる男の子。
 とても仲良しで、ラブラブ。

「大丈夫に決まってんじゃーん! ルウもいるし、みんなもいるしさ~! ねぇ、ルウは先週告白してきた先輩はどうしたの?」

「え!? す、すぐに断ったよ~」

「半年前からどんどん可愛くなっていくルウは~~今や学校で一番のモテ女だし!」

「そんなわけないでしょ!」

「あるよ~。実は合コンを頼まれたんだけど……もちろん断っておいた」

「ご、合コン!? 絶対無理だよ~!!」

「彼氏作る気はないの?」

「今は別に……」

 彼氏と仲良しなミナコちゃんを見ると。幸せそうだなぁって思うんだけどね。
 私には……。

「スパダリ最高お兄ちゃんズがいるもんね!」

「お、お兄ちゃんはお兄ちゃんだし……!」

 彼氏じゃないけど……うん。
 彼氏とかまだ、いいかなって思うんだよね。
 お兄ちゃん達と三人で一緒にいるのが幸せだし。
 お兄ちゃん達が……やっぱり好きだし……いや、あのお兄ちゃんって意味で……うん、そうだよ。
 なんか心で言い訳しちゃう!?

 そして放課後になった。
 
「じゃあ、よろしくね。紗倉さん」

「うん。よろしくね雨塚君……って!?」

 って、彼の後ろには二十人くらいの女の子がいるんだけど……あはは……。
 気分はバスガイドさんです!