ドロ痛α様に狙われて


 どうやら私の脳は、大好きな人のフェロモンで溶かされてしまったみたい。

 優しく揺れる彼の瞳から、視線をそらしたくない。

 一生彼の瞳にうつるのが、私だけだったらいいのに。

 私のものとは思えないほどのワガママな欲望に支配され、恋熱に浮かされた瞳で彼を見つめ返してしまうんだ。


 言わなきゃ、私の気持ち。

 伝えたい、今すぐに。


 「あっ、あのね……東条くん」

 「忠告したはずだけど」

 「忠告?」

 「食われたいの? 俺に」

 「え?」

 「沼ってる女に見つめられたら、俺の中のアルファの血が暴走するって言ってるの」

 
 私の肩から顔を出した東条くんに、悪っぽくて甘い笑顔をプレゼントされちゃった。

 アルファの血が暴走したら、東条くんはどうなっちゃうんだろう?

 怖さもあるけど……

 
 「……いいよ東条くん、暴走しても」

 「え?」


 こんなこと言うの、恥ずかしくてたまらないけど……