ドロ痛α様に狙われて


「……オメガが欲しい……今すぐ番わせろ」


 華奢な体つきの先生だけど、やっぱり男性だと思い知らされる。


「イヤ! やめて先生! 手を離して!」


 椅子に座ったまま肩と足をバタつかせている私の両手首を、グイッと掴んだ先生。

 圧倒的な握力で、私をねじ伏せようとしてくる。


 絢人先生ごめんなさい。

 先生が凶暴化したのは、私が薬を飲み忘れたせいなんです。

 私が大量にオメガフェロモンを放ってしまっているせいなんです。


 ラット状態に陥った先生を、なんとか正常に戻さなきゃ。

 方法? 

 あるよ。

 私にはこれしか思いつかない。


 本当は嫌だけど。

 こんな最終手段、絶対に施したくなんてないけれど。

 絢人先生ををラット状態にしたのは私。

 ちゃんと責任を取らなくきゃ。


 私は覚悟を決め、唾をごくりと喉の奥に押し込む。


 オメガの急所を、今から絢人先生に差し出します。

 思う存分、私の首を噛んでください。

 そうすれば絢人先生は、いつもの温厚で優しい紳士に戻れますよね?