ドロ痛α様に狙われて



 もちろん嬉しいよ、心の底から。

 でもね。

 なんで私なんかに群がっちゃうかなぁ?

 そこが納得いかなくて。


 私は出来損ないのオメガなの。
 
 中3で母親に捨てられたの。

 これが真実なの。


 母親が家を出ていく時だって

『歌夜が家庭を壊したの! 私は歌夜を愛せないの! ほんと無理! サヨナラ!』

 私を恨み殺しそうな涙目で、ギリっと睨まれたし。

 
 ただ……

 私の前でキャーキャーはしゃいでくれるカワイイ後輩ちゃんたちに、そんな暗い話はできるわけもなく……


「みんな、会いに来てくれてありがとう」


 私がこぼしたのは、大得意の姉御スマイル。


「歌夜先輩の笑顔、こんな至近距離で堪能しちゃった」

「ヤバっ、嬉しすぎ、心臓止まりそう」

「生きててよかった。野いちご学園に入ってよかった」


 後輩ちゃんたちは、中庭の土を踏みしめるようにハイテンションで飛び跳ねている。