「ムッ!」
「オメガ姫の怒り顔、いただいちゃいました~」
「だからそういうのが……」
「で、カヤはどんな恋の悩みを抱えてるの?」
あーもう、いきなりの真剣ボイスって。
心友を心配してますみたいな優しい目で、真ん前から見つめてこないで欲しいな。
大好きな友達に嘘をつきたくない。
罪悪感がきしんで、心のモヤモヤをはきだしたくなっちゃうから。
階段下にしゃがみこみ、私はひざに片方のほっぺをすりあてる。
「私ね、わからないんだ……その人のことが好きなのかどうなのか……」
「相手だれ?」
「恋なのか、相手のフェロモンに惑わされているだけなのか……どうやったら判断できるのかなって……」
「フェロモン? それってうちの学園のアルファ様5人衆の中に、歌夜の想い人がいるってことじゃん!」
うわっ、口が滑った。
今の会話で、そこまで勘づかれたか。



