「悪いけどムリ」
「恥ずかしいの!」
「オマエを野放しにすると、他の奴にかっさらわれる」
「そんなことは……」
「俺だけのものになると歌夜がここで約束するなら、解放してやるけど」
「……っ」
「さあどうする?」
どうするって聞かれても……
抱きしめられたままか。
東条君だけのものになるか。
どちらも選べない究極の選択に、私のフェイス温度が急上昇。
脈拍も異常値を叩きだしているに違いない。
心臓は逃げ出しそうなほどの爆動っぷり。
東条君に抱きしめられたことは何度もある。
学園で目が合うと駆けてきて、ギュって。
でも全然慣れないよ。
特に今日はいきすぎている。
甘責めゼリフが多め。
敵への威嚇オーラもギラギラすぎ。
いつも以上に、東条君からアルファ特有のワイルドフェロモンが放たれている気がしちゃうんだけど……



