ドロ痛α様に狙われて


 『あそこにオメガがいるじゃないか』

 『おじいさん、拝ませてもらいましょうよ』

 『病気を治してくれ。長生きをさせてくれ』


 いつも太いチョーカーを首に巻いているから、オメガだってバレちゃうんだよね。

 お年寄りからは観音様扱い。
 
 道で突然声をかけられて、『ありがたや、ありがたや』と拝まれることも普通にある。

 おばあちゃんたちのしぐさが可愛いから、とりあえずに観音様になりきって笑っているけれど……

 恥ずかしいの極みだから。



 みんながオメガの私に優しくて。

 みんながオメガの私をあがめてくれる。


 大昔みたいにオメガを奴隷として虐待する世に生まれなくて、よかったなぁと思うけど……

 正直、しんどいんだ。

 第二の性なんて関係なく、ただの女子高生『秋月歌夜』として普通に接して欲しいんだ。

 中身を見て、私のことを好きになってほしいんだ。


 親友のあっちゃん、美咲、凪子が、フレンドリーに接してくれること。

 それが唯一の救いなんだけど……