このままワイルド王子を放置しておくと、発言がハチミツみたいにトロトロしていっちゃいそうだかから。
ここで話を戻して。
甘い空気をビリっと変えて……
「さっきも言ったけど、私は全力で夢を追いかけたいの。だから暴走族の姫には……」
「いいよ、俺のチームに入らなくて」
「本当?」
「俺は歌夜の夢を一番近くで応援したい。強引に誘って悪かったな」
「ありがとう、東条くん」
フフフ。
やっぱり東条くんは、世界一カッコいい総長様だな。
チームを抜けてピアニストになりたい。
そんな友達の想いを理解して、コンクールにピアノを聞きに行ってあげたって言ってたし。
本当に尊敬する。
アルファと番うなら。
一生を添い遂げる相手を選ぶなら。
私は絶対に東条くんがいい。
彼以外に、自分の急所を差し出したくなんてない。



