大好きだよ、東条くんのこと。
自分の胸に閉じ込めるように、こうやって強引に抱きしめてくるところも。
見ていたいなと思うよ。
暴走族の仲間に慕われている東条くんを、一番近くで。
でもね……
放課後は夢を叶えるために時間を費やしたい。
「私は絶対に、世界的なギタリストになりたいの」
今はもう、お母さんを見返すために夢を追いかけているんじゃない。
イヤイヤやっていたピアノと違って、私はギターを弾くのが大好きなんだ。
「必死に練習すればオメガでも夢が叶えられること、自分の力で証明してみたい」
東条くんみたいに、自分を貫けるカッコいい人間になりたいの。
だから……
「暴走族の姫じゃなくて……東条くん1人だけのお姫様にしてもらいたいな……」
学園のみんなから「人魚姫」って言われること。
恥ずかしいって思ってた。
私は可愛いタイプじゃないから、姫なんて呼ばないで。
ずっと拒絶していたのに。



